■金利・・・

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カテゴリー: 不動産の豆情報

●住宅ローンの金利はどう決まる?

「私たちが銀行からお金を借りるように、銀行も金融市場からお金を借りています。この際に発生する金利を“調達金利”と呼び、商売でたとえるなら“原価”に当たります。

一方で、銀行がローン契約者に提示する金利は“融資金利”といい、これは“売価”です。  

住宅ローンは銀行が提供する商品ですから、銀行は調達金利と融資金利の差額で利益を得ています。

都市銀行の調達金利は0.3%ほどです。現在、住宅ローンの金利が低いのは、調達金利が低いためです。

今後、調達金利が上がると、銀行は住宅ローンの金利を上げる可能性があると言えます。

●変動金利と固定金利の違いとは?

「実際には、これからご説明する変動金利、固定金利によって金利の決まり方は異なってくるのですが、ひとまず『住宅ローンは金融市場の動向の影響を受ける』と思っていただいて大丈夫です」。  

各銀行はホームページで住宅ローン商品を紹介しています。実際に、とある銀行を調べてみると、2022年12月1日時点で「変動金利が年0.375%」「全期間固定金利が年1.45%」と書かれていました。

このように、一言で住宅ローンと言っても、変動金利と固定金利の2種類が存在します。どのような違いがあるのでしょうか。

「住宅ローンでお金を借りられる期間は最長で~40年程度ですが、その間には何が起こるかわかりません。契約時点の金利が年0.4%でも、時間を経るごとに上がっていくことは十分にあり得ます。

これを“金利変動リスク”と言います。変動金利と固定金利との違いは、そのリスクを契約者と銀行のどちらが負うかなのです」

●変動と固定はどっちが多い?

「変動金利のほうが低金利なのは、金利変動リスクを契約者が負担するため。お金を借りる期間が長くなるほど、変動リスクも上がりますからね。

対して、固定金利は金利変動リスクを銀行が負うことから、金利は高めに設定されています。この先も低金利が続くのであれば変動金利にメリットがありますが、金利が上昇すれば返済負担が増すおそれがあります。

一方で固定金利は高いものの、この先の金利変動リスクをあまり気にしなくも良い点が魅力的です。  

では、実際に住宅ローンを組んだ人は、変動と固定のどちらが多いのでしょうか。

「圧倒的に変動金利が多いです。『住宅金融支援機構の民間住宅ローン利用者の実態調査』(2022年4月発表)によると、住宅ローン利用者の約7割が変動金利で借りています。

固定金利に比べて金利がはるかに低いため、返済負担を軽くする狙いがあるのでしょう。

●金利よりも「いくら借りて、返済できるか」

 これから住宅ローンを組んで住宅購入を考えている人は、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。

「ついつい金利に目が向きがちですが、金利はあくまでお金の借りやすさや返済負担を知る基準でしかありません。

そのため、住宅ローンを組む際には金利(%)ではなく、金額(円)で考えることが大切です。  

つまり、自分はいくら借りることができて、毎月いくらなら無理なく返済ができるのかを把握します。もし金利が年0.4%であっても、返済によって家計が著しく圧迫されるのであれば、決して低金利とは言えませんね。

「40年先の金利を正確に予測するのは不可能です。

なので、起こりえる金利上昇や返済額増額に備えておくことを心がけて下さい。

住宅ローンを組むとは、この先起こり得る金利変動リスクに向き合うことと言っても過言ではありません。  

※「いくら借りて、毎月いくらなら払えるかを把握する」→「変動金利か固定金利かを決める」→「銀行の商品を調査」→ 後悔のないマイホーム選びをして下さい。