■①年金はいくらもらえる? 毎年、年金額は変わる!

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◆国民年金は月6万5141円、厚生年金は夫婦で月22万724円!

毎年1月末ごろに、前年の物価指数の公表を受け、次の年度の年金額が発表されます。

令和2年(2020年)度の年金額は月額で、国民年金(老齢基礎年金)は満額で6万5141円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な金額)は22万724円です。

国民年金は1人分なので、本人1人なら6万5141円ですが、夫婦2人なら13万282円です。

国民年金保険料を納めた期間が40年より短ければ、その分、年金額は少なくなります。本人または夫婦の両方もしくはどちらかに会社員だった期間があれば、厚生年金が加算されます。

厚生年金は、夫がボーナスを含む月額換算の平均収入が43万9000円で40年間働き、妻はその間ずっと専業主婦だったケースの金額です。

ですから、平均的収入が低ければ少なく、高ければ多くなります。また、妻が会社員だった期間があれば、その分の厚生年金が加算されます。夫婦ともに、40年間、会社員として働いていれば2人分で30万円くらいになりそうです。

◆年金額は物価と賃金の変動に応じて見直される

この年金額はずっと同じではありません。年金額は物価や賃金の変動に応じて、毎年、改訂を行うルールだからです。

令和2年度の年金額を決めた際の参考指標は、物価変動率が0.5%、名目手取り賃金変動率が0.3%です。

このように、物価変動率と賃金変動率がともにプラスで、物価変動率が賃金変動率を上回る場合は、年金額には賃金変動率を用いることが法律で定められています。

したがって、今回は名目手取り賃金変動率の0.3%ですから、年金額も0.3%増となるはずです。

しかし、マクロ経済スライドにより調整され、0.1%差し引かれ、プラス0.2%の改定率となりました。

「マクロ経済スライド」は、公的年金被保険者の減少と平均余命の延びに基づいて、プラスの改定率から控除するもの。

要するに、物価や賃金が上昇しても、年金額は同じようには増えない、将来のために年金額の上昇を抑えるしくみです。

今回は、名目賃金変動率が0.3%と上がりましたが、調整によって0.2%という若干のプラス改定となったのです。

◆老後のマネープランは悲観的に考えて実行しよう

少子高齢化で、年金保険料を納めて高齢世帯を支える現役世代は減っていきます。

ですから、年金額が毎年増えていくような時代がくることは期待しない方がいいでしょう。

ライフプランは「楽観的」より「悲観的」に考えた方が、後で困りにくいもの。

今の年金額から20%減になると悲観的に考えて、老後のマネープランを立てて実行しましょう。