■民法改正・・・瑕疵担保責任から契約不適合責任へ

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※2020年4/1に改正民法が全面施工されました およそ120年ぶりに「債権法」の部分が抜本的に見直しされました。

その一つ・・・瑕疵担保責任から契約不適合責任へ

ポイント1. 買主の権利

契約不適合責任では、改正前の瑕疵担保責任よりも買主の権利が増え、買主に次の権利が認められました。

  • 損害賠償請求
  • ・契約解除
  • ・追完請求権(瑕疵の修補請求権など)
  • 代金減額請求

ポイントは追完請求権と代金減額請求権です。

売主は売買契約の内容に適合する物件を引き渡す義務を負うので、買主に修補請求などの追完請求権が認められたのです。

また、欠陥商品の売買では、損害賠償や解除で解決するのではなく、代金を減額してトラブルを解決することも多く、代金減額請求権が買主に認められました。

ポイント2. 売主の帰責事由

目的物が契約の内容に適合しない物件を購入した買主は、売主に対して損害賠償請求をすることができます。

この点は、改正前の瑕疵担保責任と変わりません。

しかし瑕疵担保責任と大きく変わった点は、買主が損害賠償請求するためには、売主の帰責事由を要することです。

瑕疵担保責任は売主の無過失責任だったので、売主に責任がない瑕疵でも、売主は損害賠償義務を負いました。

これに対して契約不適合責任では、売主は自己に責任がない瑕疵については、損害賠償義務を負いません。

損害賠償義務以外については、売主は自己に帰責事由がなくても責任を負います。

なお、買主に帰責事由がある場合は、買主を救済する必要はないので、買主は契約不適合責任を追及することはできません。

ポイント3. 損害賠償の範囲

損害賠償の範囲も変わりました。

瑕疵担保責任では、損害賠償の範囲は信頼利益に限定されていましたが、契約不適合責任における損害倍書の範囲は、要件を満たした場合は履行利益も含まれます

なお、信頼利益とは契約が有効であると信じたために生じた損害であり、履行利益とは転売利益など契約が完全に履行された場合の利益を言います。

ポイント4. 権利行使の期間制限

買主の権利行使の期間は、瑕疵担保責任では買主が瑕疵を知った時から1年以内と制限されていました。

これに対して契約不適合責任では、買主が契約に適合していないことを知った時から1年以内に、売主に通知しなければなりません。

ポイント5. 通知する内容

瑕疵担保責任では、損害賠償請求権を行使するときは請求する損害額の算定の根拠を示す必要がありました。

これに対して契約不適合責任では、買主は権利を行使する前提として、物件の不備につき売主に通知をしなければなりません。

この「通知」は、売主が対応を検討できる程度に不適合の種類やおおよその範囲を知らせるものです。