■団体信用生命保険とは

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1-1 そもそも団体信用生命保険ってなに?

団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者が死亡・高度障害状態になったときに、残りのローンを肩代わりしてくれる住宅ローン専用の生命保険です。略して「団信」と言われたりしています。

住宅ローンは、10年、20年、30年など長期間にわたって返済していくものですが、その間にローン契約者(主に収入の担い手)に万が一のことが起こってしまったら残された家族はどうなるでしょうか。家族の手には住宅ローンという大きな借金が残ってしまいます。もしも家族に住宅ローンを払い続けていく経済的な余裕がなければ、せっかく苦労して購入したマイホームを手放し、そのお金をもとに借金を返済していくことになるかもしれません。

そのような事態を避けるための保険が団体信用生命保険です。

団体信用生命保険に加入していれば、ローン契約者に万が一のことがあった場合、保険会社から金融機関へ住宅ローンの残額分が支払われるので、残された家族は住宅ローンの返済に困ることはありません。その意味で団体信用生命保険は、ローン契約者が自分に万が一のことがあったときに家族を住居費の経済的なリスクから守るための保険とも言えるでしょう。

「フラット35」など一部例外はあるとはいえ、団体信用生命保険への加入は住宅ローンの借り入れの条件になっていることが多く、住宅ローンの借り入れと同時に加入していることが一般的です。団体信用生命保険の支払いは明確な「保険料」という形をとらず金利に上乗せされたりしているケースもあるため、なかなか「保険に加入している」という意識は薄くなりがちで、「え! 私も団信に入っていたの!?」というケースも少なくないようです。

1-2 団体信用生命保険の種類と保障内容

団体信用生命保険で代表的なものは、通常の団体信用生命保険、三大疾病保障付団体信用生命保険、八大疾病保障付団体信用生命保険などが挙げられます。

通常の団体信用生命保険は「ローン契約者が死亡もしくは高度障害状態のときに住宅ローンを肩代わりしてくれる保険」で、ほかの2つの保険は、そこに特約を付加することによって死亡や高度障害状態以外でも住宅ローンが免除になるタイプの保険だと言えます。

●通常の団体信用生命保険
通常の団体信用生命保険は、ローン契約者が「死亡・高度障害状態」になったときに残された住宅ローンが完済される仕組みです。

基本的に死亡・高度障害状態に備える通常の団信保険は無料で、その場合は保険料として金利が上乗せされるようなことはありません。

●三大疾病特約付団体信用生命保険
三大疾病特約付団信信用生命保険は、ローン契約者が死亡・高度障害状態になったときに加えて、「三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)で所定の状態」になったときにも、残された住宅ローンが完済される仕組みです。

●八大疾病特約付団体信用生命保険
八大疾病特約付団体信用生命保険は、ローン契約者が死亡・高度障害状態になったときに加えて、「八大疾病で所定の状態」になったときにも、残された住宅ローンが完済される仕組みです。

「八大疾病」という病気の括りはあまり聞きなれないかもしれませんが、三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)と五疾患(糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病)を指しています。

2-1 健康状態が悪いと加入できない!?

団体信用生命保険は、少し通常と違うところはあっても生命保険の一種ですから、契約する際には健康告知が必要になります。

健康告知とは、生命保険への加入を希望する方が、保険会社に自分の健康状態をあらかじめ申告することです。生命保険会社は、その健康告知をもとに「このお客様を保険に加入させて良いかどうか?」を判断します。

基本的に団体信用生命保険の健康告知は、通常の生命保険よりも告知項目が少なく、比較的に加入しやすいと言えるでしょう。しかしながら、病気の種類や症状、経過によっては、持病や既往症を持たれている方が団信に加入できないケースも見られます。

そして、団体信用生命保険への加入が住宅ローンの借り入れ条件になっている場合、健康状態で団体信用生命保険へ加入できないことを理由に住宅ローンの審査に通らない、ということが起こってしまいます。

2-4 保障が重複してムダな保険料を支払っているかも!?

団体信用生命保険は、ローン契約者が死亡・高度障害状態になったときに住宅ローンの残額を肩代わりしてもらえる生命保険の一種です。ですので、すでに民間の生命保険に加入している場合、その保険と団信で保障内容が重複していることがあります。民間の生命保険の加入時に、被保険者が亡くなったときの住居費も含めて保険金を設定したのであれば、団信と保障内容が重複しており、ムダな保険料を払っている可能性が高いと言えます。

マイホームの購入のために住宅ローンを借り入れ団信保険に加入した時点で、いちどご自分が加入している生命保険を見直すと良いでしょう。もしかしたら保険料の節約につながる良い機会になるかもしれません。