再び強まる円安・・・

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カテゴリー: 平野の独り言

日米の金利差が拡大する中、外国為替市場で円安ドル高の動きが強まっている。

一時1ドル=143円87銭と約7カ月ぶりの円安ドル高水準を付けるなど、昨年9月に政府と日本銀行がドル売り円買いの為替介入を行った145円台が視野に入ってきた。

円安は一般的に輸出企業の利益を押し上げるメリットがある一方、輸入物価を引き上げ、家計を圧迫するマイナス面もある。

急速に円安が進んだ昨年9月と10月には政府・日銀が3回にわたり計約9兆円もの円買い介入を実施。

その効果もあり1月には127円台まで円高ドル安が進んだ。

だが、日銀の植田総裁の就任が決まり、金融緩和維持の意向が示されると再び円安傾向が強まった。

14日に米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ継続姿勢を打ち出したことも、円安に拍車をかけている。

新型コロナの5類移行で、訪日外国人観光客(インバウンド)が戻るなど、円安のプラス要因が増えていることに加え、原油価格など資源価格が落ち着き始める中で、当時よりも円安のデメリットが注目されにくく、〝悪い円安〟といった指摘があまり出てきていない。

ただ、円安が家計に悪影響を及ぼすのは事実だ。賃上げが物価上昇に追いついていない中、円安を放置していると映れば、秋以降の衆院解散を見据える岸田政権への風当たりが強まる可能性もある。